
海外に出ると気になることの1つに、現地での移動手段がありますよね。初めていく場所だと土地勘も無いため、移動には何を利用すべきか分からず戸惑ってしまうこともあるでしょう。また留学や就職で中長期滞在となると、時間もお金も節約したいと考えるのは自然なことでしょう。
マニラやセブでは年々交通渋滞がひどくなり、都市部での移動に悩まされている方も多いと思います。今回はセブ島の中でも特に渋滞の深刻なセブ市とマンダウエ市、そしてその周辺を中心とした移動手段についてご紹介したいと思います。
セブ島の都市部で利用できる交通手段はいくつかあります。それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか、またどのような状況で利用するのが好ましいかについてご紹介しましょう!
タクシー
タクシーはセブで最も多く利用されている交通手段の1つです。そのためタクシー会社も都市部を走るタクシー台数も豊富で、容易に捕まえることができます。初乗り運賃は40ペソ(約100円)と日本と比べると断然安く、気軽に利用することができます。
セブ・マクタン空港に到着するとまず目に入るのが、レーンが別になっている白いタクシーと黄色いタクシーです。黄色いタクシーは空港タクシーで、安全面などでは優れていると言われてはいるものの、運賃は割高です。私個人の意見ではありますが、サービスの質も安全面も白いタクシーで十分だと思いますので、多少列が長くても白いタクシーに乗ったほうが良いと思います。
またフィリピンに限ったことではありませんが、日本人と分かると料金を釣り上げられる場合があります。タクシーに乗った時にはどんな料金を言われても断り、運転席と助手席の間にあるメーターでの運賃計算をお願いしましょう。乗ってすぐに運転手がメーターのボタンを押したことを確認することも必要です。行き先が遠い場合や目的地が高級ホテルである場合にも運賃を釣り上げられることが多いので気をつけましょう。
目安として、セブ・マクタン空港からセブ市内のアヤラモールまでで170ペソ〜200ペソ程度と覚えておくと良いでしょう。ただし渋滞が酷い時間帯だとここから数十ペソ上がる場合もあります。
UberまたはGrab Taxi/Grab Car
タクシーは上記に挙げたように、外国人だと分かった場合や行き先が遠い場合、また目的地がマクタン島等の高級ホテルである場合には運賃を釣り上げられることがあります。運賃があまりにも高額な場合には交渉をする必要があるため、初めてフィリピンやセブ島に来る人にとっては現地のレートも分からないため交渉に不利となります。
こんな場合に活用したいのが配車サービスのUber(ウーバー)またはGrab(グラブ)のアプリです。これらは携帯電話に無料のアプリをダウンロードすれば誰でも利用可能なサービスです。ドライバーと利用者の双方でお互いを評価する制度があるため、一定の質が保たれているのが特徴的です。
UberとGrab Carは一般車を保有するドライバーが手の空いている時に収入源としてサービスを提供するもので、Grab Taxiは通常のタクシーがこのサービスに登録して、配車の要求があればそれに応じるというものです。そのため運賃はGrab Taxiが最も安い反面、安全性や清潔さといったサービス面ではUberとGrab Carの方が優れています。
出発地点と目的地点を入力して確定ボタンを押すだけで、配車を行ってくれます。およその運賃も前もって知ることができることができます。常にGPSで車の位置情報を知ることができるのも便利な点です。また配車は確定したもののあまりにも車が遠すぎる場合やドライバーの評価が低くて心配な場合などにはキャンセルすることができます。
オススメの使い方としては、両方のアプリをダウンロードしておいて両方の料金を予め調べると、より安く配車を行うことができます。一般的には近距離であればGrab、遠距離になるとUberの方が安い場合が多いと言われていますが、時と場合によります。
またGrabは出発地点を思い通りの場所に設定できないことがあること、またGPSがずれる場合があることなどが少々不便な点です。一方Uberは出発地点と目的地点を正確に設定でき、配車できる確率も高いものの、特にラッシュアワーにはGrabと比較して運賃がかなり高額になる傾向があります。出発地点への車の到着時間が表示されるのですが、ラッシュアワーには表示時間の2倍から3倍程度かかると考えておきましょう。
バイクタクシー(ハバルハバル)
他の多くのアジアの国と同様に、フィリピンにはバイクタクシーが多くあります。日を追うごとに交通渋滞が酷くなる一方のセブ島では、車での移動ではとても時間がかかってしまいます。そんな時に便利なのがハバルハバルと呼ばれるバイクタクシーです。

バイクタクシーは人が多く集まるショッピングモールや観光地付近を始めとして、至る所で客引きを行っているため、停車しているまたは走っているバイクを見つけたらとりあえず合図を送ってみると、すぐに乗車することができます。渋滞しているエリアでも車の間をすり抜けることができるため、車で移動するよりも遥かに短時間で目的地に到着することができます。
ただしバイクタクシーに関しては特にサービス提供の許可を得ていないため、利用する場合は自己責任であることを理解しておく必要があります。ヘルメットもかなり簡易的なものであることも多く運転も荒いドライバーも多いため、安全面においては優れているとは言い難いでしょう。
また運賃は基本的には乗車前に交渉が必要であるため、初心者には少しハードルが高い交通手段と言えます。一台に乗車できるのは1人のみであるため、2人以上で移動する場合にはタクシーやUberまたはGrabの方が良いでしょう。
Angkas(アンカス)
Angkasはフィリピンの言葉で「乗る」という意味で、2017年7月に開始した新しい配車サービスです。Angkasはバイクタクシーを利用したUberと考えると分かりやすいでしょう。Angkasも無料のアプリを携帯電話にダウンロードして利用することができますが、iPhone利用者はApple IDが日本のものだとダウンロードできない場合もあるようです。
Angkasは正規のサービスであるため、バイクタクシーと比べると安全性や料金面では信頼することができます。UberやGrab同様に出発地点と目的地点を入力すると運賃が表示され、確定ボタンを押すと配車されます。UberやGrabに比べると台数が多いのか、出発地点にすぐに来てくれる場合が多い印象を受けます。ドライバーの評価制度があるため、運転もバイクタクシーに比べると丁寧なドライバーが多いのも良い点です。また何よりも、料金はアプリが自動で計算してくれるため、料金交渉の必要がありません。
ただしAngkasは2017年11月頃に営業停止を受けた後最近営業を再開したものの、物の宅配サービスに限定されており人の乗車はできないようです。正規の利用方法ではありませんが、Angkasを見つけたらアプリで運賃を調べて個人的に交渉して乗車することは可能です。その場合には全て自己責任であることを理解しましょう。将来的に人が乗車できるようになることを祈るばかりです。
ジプニー
フィリピンを代表する交通手段の1つにジプニーがあります。日本で言う乗り合いの路線バスのようなもので、セブでは特に日本などから輸入した中古のトラックを改造したものが多いです。地方によって多少異なりますが、セブではルート毎に番号が割り振られており、車体に主な行き先が書いてあります。
ジプニーの良いところは7ペソ(約14円、ただし燃料費の変動によって1ペソ前後変更される場合あり)から乗車できるという破格の運賃でしょう。ルート上であれば基本的に降車また乗車を希望する人がいればどこでも停車するというのも特徴的です。降りたい時には添乗または掴まる鉄の棒を手やコインで叩くと、すぐに停車してくれます。乗りたい場合には正しいルート番号のジプニーに向かって手を挙げると、基本的にどこでも停車してくれます。
セブでジプニーに乗り慣れていないとルートが分かりませんが、「Cebu Jeep」と「Go with Jeepney」というジプニールートアプリをダウンロードすればルートを知ることができます。
運賃は乗車距離が長くなると1ペソ単位で上がるため、運転手や横に乗車している人に尋ねると良いでしょう。運賃はバケツリレー式で運転手または運賃回収のお兄さんに渡します。
ジプニーはルートが決まっているのですが、道路工事やイベント、ドライバーの気分都合によって多少ルートが変更になる場合があるので注意が必要です。またバス停のようなものが無いため、目的地への到着時間は全く予想することができません。またジプニー内ではスリも多いため、財布や携帯電話などの貴重品はポケットや鞄の取り出しやすい所に入れず、鞄の奥の方に直し、鞄のジッパーを手で抑えて周囲の人の動きには気をつけましょう。
トライシクル
ジプニーは通るルートが決まっているため、ルートから外れた住宅街などではトライシクルが頻繁に利用されます。またセブ以外の地域ではトライシクルが主な交通手段であるところもあります。運賃はドライバーに尋ねると良いでしょう。
セブでトライシクルを利用する機会はあまり無いかも知れませんが、経験として試してみるのも良いかもしれませんね。
セブには上記のような様々な交通手段があります。どの交通手段を利用するにしても、身の安全を第一に考えることはとても大切ですね。それぞれのメリット・デメリットをしっかりと理解した上で、目的に合った手段を選びましょう!
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