
After Effectには様々なエフェクトがありますが、今回はネオンのように文字やシェイプを光らせることのできるグロー (Glow) エフェクトの使い方をご紹介します!
グローエフェクトは、輝度の異なるエフェクトをいくつか重ねてグローの強さや範囲を表現していくと上手くできます。
いきなりグローエフェクトを追加してもネオンのような輝きを作ることはできますが、よりリアルに表現するための方法をご紹介します!
今回の記事で作れるもの3パターン
まずは今回の記事で作れるものを3パターンご紹介しましょう。
グローエフェクト単独で1回だけ使った場合
グローエフェクトを3回重ねて使った場合
グローエフェクトとドロップシャドウを重ねて使った場合
新規コンポジション作成&コンポジション設定
まずは新規コンポジションの作成から。
メニューまたは画面中央にある「新規コンポジション」のいずれかをクリックします。
コンポジション設定画面が出るので、詳細を設定します。
コンポジション名は分かりやすいように変えておきましょう。
今回はグローエフェクトなので、「Glow」と名称を変更しました。
幅と高さは画面の大きさの設定なのですが、ここはお好みで問題ありません。
今回は幅1920ピクセル高さ1080ピクセルで設定しました。
フレームレートもお好みで問題ありませんが、もし実写の動画素材と組み合わせる場合には動画素材のフレームレートに合わせましょう。
フレームレートはざっくり説明すると、数値が高い方が滑らかな動きになり、数値が低い方がパラパラ漫画のようなカクカクした荒い動きになります。
フレームレートについてもっと詳しく知りたい方は、下記をご参照ください!
https://www.curioscene.com/types-of-frame-rates-and-the-history/
デュレーションは動画の長さですが、後から変更することもできるので一旦10秒に設定しました。
背景色は、今回はネオンカラーが分かりやすいように黒に設定します。
背景色を変更したい場合は好きな色に変更可能です。
色が決まったら背景色設定画面のOKを押し、更にコンポジション設定画面右下のOKも押します。
テキストの追加
テキストを追加します。ツールパネルの横書き文字ツール「T」をクリック、またはキーボードのCmd⌘+TまたはCtrl+Tを押します。
コンポジションパネル上のテキストを配置したい場所でクリックし、文字を入力します。
今回は「GLOW EFFECT」と入力してみました。
文字を画面中央に移動するため、選択ツールをクリック。
ショートカットキーはVなのですが、文字ツールを選択中にキーボードのVを押すと、Vの文字が入力されてしまいますので、画面左上のアイコンをクリックする必要があります。
文字をドラッグして移動するのですが、中央を見つけるためにグリッド線を表示しました。
コンポジションパネル下部の グリッドとガイドのオプションを選択」というアイコンがあるので、その中のプロポーショナルグリッドを選択します。
(拡大)
ドロップシャドウの追加
ベースとなる文字を配置したら、グローエフェクトの追加をするのですが、より緻密にネオンを表現したいならドロップシャドウを追加しておきましょう。
画面右パネルのエフェクト&プリセットの検索画面に「ドロップシャドウ」と入力すると表示されます。
表示されたドロップシャドウを画面下部タイムラインパネルにあるテキストレイヤーへドラッグ&ドロップし、適用します。
すると画面左に適用されたエフェクトの詳細が表示されます。
シャドウのカラーはネオンの色と同じ色に設定します。
今回は黄色のネオンを作るため、黄色をチョイス。
不透明度は数値が高いほど色がはっきりとし、数値が低いほど色が薄くなります。
ネオンを重ねるので、後で色が強くなり過ぎないように数値を少し下げておきましょう。今回は30%にしました。
距離は文字本体とシャドウ(影)との距離。今回はシャドウ自体をネオンの一部として光らせて、文字の周りに均等に広げたいので、距離は0にします。
柔らかさは影の線をどれだけくっきりさせるかの度合い。数値が高いほど影がぼやけ、数値が低いほど影の線がくっきりします。まずは文字を縁取るようにネオンを光らせるため、20に設定しました。
次に今作ったドロップシャドウを複製します。
赤枠で囲った部分をクリックしてCmd⌘+dまたはCtrl+dを押すと、設定もそのままドロップシャドウ2として複製されます。
今度は文字の周り広範囲にぼんやりと影を付けたいので、柔らかさの部分のみ80にします。
ドロップシャドウ1つだけの場合、下のような感じ。
そしてドロップシャドウの柔らかさを変えて2つ重ねた場合、下のような感じ。
若干の違いですが、これがグローエフェクトと重なると効果を発揮してくれます。
グローエフェクトの追加
それではグローエフェクトを追加しましょう。
エフェクト&プリセットで、「グロー」と検索します。
出てきたグローエフェクトを文字のレイヤーにドラッグ&ドロップして適用します。
すると画面左にグローエフェクトが追加され、文字もネオンのように光ります。
カラーAをドロップシャドウと同じ色に設定、カラーBは背景色に馴染むよう黒に設定します。
グローしきい値は数値が高いほど輝度の高い箇所のみ光らせることができ、数値が低いほど輝度の低い箇所も光らせることができます。今回はしきい値を80に設定します。
グロー半径は、光らせる範囲を設定するもの。数値が高いほど範囲が広がり、数値が低いほど範囲が狭まります。今回はグロー半径を10に設定します。
グロー強度は光らせる強さの調節。数値が高いほど強く光り、数値が低いほど弱く光ります。今回は後でグローを重ねるので、あまり高く設定しすぎないように2.5に設定します。
元を合成の箇所は、元の文字やシェイプをどのように合成するかというもの。全面に出すと違和感があるので、後ろを選択します。
グロー操作は、元を合成した際の処理ですが、加算を選択。
グローカラーは、どの色を基にグローを作成するかというもの。
元のカラーを選択すると、元の文字色で光らせることができます。
今回は黄色に光らせたいので、後に指定する2つの色を使うA&Bカラーを選択します。
カラールーピングは後に指定する2つの色をどの順序で配置するかというもの。この場合のこぎり波B>Aを選択します。
これでグローの1レイヤーが完成。
次に、設定を調整し終えたグローをクリックし、Cmd⌘+dまたはCtrl+dでグローを複製します。
複製すると、グロー2が作成されます。詳細設定は複製元のグローと同じです。
文字の光が2つ重なっているので、光り方が強くなりました。
グローの2レイヤー目は光る範囲のみを変更します。
グロー半径の数値を上げます。今回は150に設定しました。
グロー半径を広げると、文字が広範囲に渡って光るようになりました。
もう少しネオン色を強くしたいなら、もう1度グローを重ねましょう。
今回は設定変更済みのグローを複製するのではなく、新規グローを追加します。最初にグローを追加した時と同じ要領で、右のエフェクト&プリセット内のグローエフェクトを文字のレイヤーにドラッグ&ドロップします。
するとグロー3としてエフェクトが追加され、光が強くなりました。
これでネオンの完成です!
光が強すぎると感じる方は、グロー3のグロー強度を少し下げてみると良いですよ。
キーフレームの追加
文字をネオンのように光らせることができたら、せっかくなので簡単なアニメーションにしてみましょう!
画面下部タイムラインパネル内の文字のレイヤーをクリックして、キーボードのTを押すと、不透明度の項目が表示されます。
0.5秒 (最初にフレームレートを23.976で設定しているので、0.5秒は00:12fの箇所)に時間インジケーターを移動し、不透明度を0%にします。
次に時間インジケーターを1.0秒に動かして不透明度を100%に変更。
0.5秒と1.0秒に打ったキーフレームをドラッグして囲み選択し、Cmd⌘+cまたはCtrl+cでこの2つのキーフレームをコピーします。
時間インジケーターを3.0秒に動かして、Cmd⌘+vまたはCtrl+vでペーストします。
今ペーストした2つのキーフレームをドラッグして囲み選択した状態で、いずれかのキーフレーム上で右クリックします。
キーフレーム補助 > 時間反転キーフレームをクリック。
これで完成です。
いろいろと設定を微調整してみて、ベストなネオンカラーを作ってみてください!